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ザ・ビジョン~進むべき道は見えているか~を読んで、心に残った3つの事

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか を読みました。この本は、経営や個人の目標を作る過程で大切な「ビジョン」について、 物語を通して分かりやすく説明してくれます。本を読んでいて面白いなと思った所に、 栞を挟んでいったら最終的に3箇所に挟んであったので、何故そこが面白いと感じたのか考えながら書いていこうと思います。

3人の労働者

本の中で次のような話が取り上げられていました。少し長いですが引用します。

三人の労働者がビルの建設現場で働いてると、通行人が近づいてきました。最初の労働者は汚れて汗まみれで、仏頂面をしていました。通行人が「あなたは何をしているのですか」と尋ねると、労働者は「レンガを積んでいるんでさあ」と答えました。二番目の労働者も汚れて汗まみれで、同じように仏頂面をしていました。通行人が「何をしているのですか」と尋ねると、二番目の労働者は「時給2ドルで働いているんでさあ」と答えました。三番目の労働者も、やはり汚れて汗まみれでしたが、希望に燃えたいきいきした表情をしていました。一生懸命働いている点は他の二人と同じなのに、この人は仕事を楽々と片付けているように見えました。通行人は三番目の労働者に「何をしているのですか」と尋ねました。すると彼は「大聖堂を建てているんでさあ」と答えました。

この話を読んで、私も「大聖堂を建てているんでさあ」と言える労働者になりたいです。 自分の取り組んでいる仕事が将来何になって、どのように人々の役に立つのかを意識するだけでも、やっていることの原動力になっていくと思います。 ほとんどの、経営者は「何をしているのですか」と答えたら、最後の労働者のように語れるでしょう。 さらに、その会社の社員が全員「何をしているのですか」と尋ねられて、 最後の労働者のように答えられる会社こそビジョンの息づいている会社なのだと思います。

日々の「出来事」をとおして読み解く

私の個人的なことですが、たいていビジョンを作ってしまうと、出来上がった時点で満足してしまいます。 振り返るとしても、半年に一回ぐらいになってしまい、「この半年間はビジョンのために行動できたか」と考える程度になってしまいがちです。 しかし、大切なのは 日々の出来事で「ビジョン」を意識できているかどうか 本の中で述べられていています。 それには、ちゃんと行動に移せるだけの明確な「ビジョン」ができていないといけないわけです。 自分のビジョンがあり、それを叶えられる会社のビジョンがある。そうすれば、毎日達成感を実感できながら進んでいくことができるでしょう。 全力疾走で走れるかではなく、最も最短の道を選んでゴールに向かえているか が大事なのだと思います。

経営者の立場

毎日社員にメールを送っている社長(主人公と一緒にビジョンについて語り合う人物)が、 ある日社員に向けて送ったメールの内容で経営者の立場について書いています。ここも引用します。

私の仕事は、みなさんが仕事に打ち込めるように補佐すること。つまり、皆さんに奉仕すること、そのことをとおしてお客様に奉仕することです。みなさんの仕事は、経営者に奉仕することではありません。これからも、私が勘違いをして間違ったメッセージを送ったら、必ず指摘してください。

この皆さんに奉仕すること、そのことをとおしてお客様に奉仕することって、今までそんな考えを聞くことはありませんでした。 確かに、経営者は会社の規模が大きくなればなるほど、お客さんと関わる機会が減ってしまい、 最初に立ち上げたビジョンがお客さんとの関わりで成し遂げられるものであれば、社員に動いてもらって達成するしかなくなります。 そのために、人を雇い対価を支払う。そして雇用された人は経営者に奉仕しているからお金をもらうのではなく、 お客様に奉仕をすることで、お金がもらえる。 あくまでも個人的な感覚ですが、労力を提供した分を会社から見返りとしてお金を受け取るという考え方だと、 会社の中で物事が完結してしまっていて閉じこもっている印象があります。しかし、社員がお客様に奉仕していくという考え方だと、 お客様がいて社会があるからこそ、会社が成り立っていて、これからも、どんどん広がっていくような気がします。 そんな、会社が増えていくといいですね。