ベンチャー企業のイメージが変わるかもしれないソニックガーデンを紹介
就活中の皆様へ
最近、このブログのアクセス解析をしていると「ベンチャー 新卒」というキーワードで、 このブログにたどり着く人が2016年度の就活が解禁された8月から増えてきたので、就活をしている人たちに向けて記事を書こうと思いました。
私は2014年に大学院を卒業して、当時社員は9名の株式会社ソニックガーデンに入社しました。
この記事では私が働いているソニックガーデンについて紹介します。 ソニックガーデンは10人規模なので、分類すればベンチャー企業や中小企業という枠に含まれます。
ITでベンチャー企業と聞くと、バンバン資金調達を繰り返して、急成長し、世界に挑戦していく、、、 のようなイメージがありますが、ソニックガーデンは、そういったイメージとは、かけ離れています。
こんなベンチャー企業もあるんだなといった感じで読んでみてください。
ソニックガーデン
まず、ソニックガーデンについて簡単な説明をしていきます。 株式会社ソニックガーデンは、TISという国内大手SI企業の社内ベンチャーから始まりました。 社内向けSNSのSKIP等を開発して、2011年にTIS株式会社からのMBOを行い独立して4年目の企業です。
代表の倉貫が、「納品のない受託開発」(詳しくは書籍になっています等で IT業界のスタンダードを変えることで、 デスマーチや3K(キツい、給与少ない、帰れない)といったIT業界のマイナスなイメージを変化させ、 プログラマの地位を向上やソフトウェア開発の仕組みを変えていこうと日々邁進しています 。
私がソニックガーデンを知った経緯等は、この記事で書いてあります。
急成長ではなく、持続可能な企業を目指す
ソニックガーデンの現在(2015/08/27)の社員数は12名です。私が入社してから約1年半が経過しましたが、3人(私含めて)しか入社していません。
私はソニックガーデンの前にも他のベンチャー企業でインターンをしていましたが、そこでは毎週のように新しいメンバーが加わり、 オフィスも広くなり、どんどん成長していました。他のベンチャー企業も急成長していることを謳って知名度を上げているところが多いです。
ではなぜ、ソニックガーデンではこんなに成長が緩やかなのでしょうか? もちろん、人を雇うお金が無いからではありません。
他のベンチャー企業と違う所の1つに、ソニックガーデンは 急成長ではなく、持続可能な企業を目指しています。
投資が入ることで大きなビジネスをすることはできますが、諸刃の剣にもなります。 事業を拡大するために投資をしてもらい、投資をしてもらうために事業を拡大して利益をあげます。 うまく回り続ければいいのですが、どこかで鈍ったりしてしまうと急激に足元が崩れてしまうこともベンチャーではよくあることです。
私の考えではビジネスというものはマラソンのように、長く続く長期戦です。 そこで 短距離のようにダッシュを繰り返して、怪我をしてしまうよりも、マラソンでしっかりペースをキープすることや、 登山のように一歩一歩確実に進んでいくことで、犠牲を少なくしながら最終的に大きな物事を達成することができるのだと思います。
案件が増えて、人が足りないから、大量に求人して成長を拡大していくスタンスとは逆で、 人を中心にビジネスをしているため、人がいて初めて案件を受けるようにしています。
このようなビジネスを行うためには一緒に働くメンバーの採用にも長い時間をかけて判断します。 よく驚かれるのですが、中途採用には半年以上の期間を設けています(新卒採用の場合は例外もありますが)。 長期のスパンで一緒に戦う仲間なので、自分達の価値観が一緒で同じ目標に向かって進んでいけるメンバーかを確かめる必要があります。
このような仕組みのため、 ソニックガーデンには 技術の高い、常に向上し続ける人が集まり、会社として全員がより高みを目指していけるようになっています。
営業、経理、企画はいなくて、全員がプログラマ
代表の倉貫と、副社長の藤原を抜くと全員がプログラマです。
それで、業務が回るのかと不安になるかもしれませんが、ソニックガーデンでは ビジネスに必要なものの本質だけを残して あとは、 業務委託をしたりしています。
普段は受託開発をしていますが、全員がプログラマなので、 自分たちの普段使うツールも自分たちで作っていきます。さすがに、プログラミング用のエディタを0から作るようなことはしませんが、 あとで説明しますがソニックガーデンにはリモートワークで働く人もいて、 どうしてもチャットやSkypeだけだと、コミュニケーションがうまくいかない場合が多いです。
そのため、自分たちでコミュニケーション問題を解決するために、 リモートワーク向けのチャットシステムRemottyや、 皆が普段なんの業務をしているのか知るための日報システム(ブログ記事:リモートワークにも応用可能なチームのコミュニケーションを加速させる日記システム)等を開発しています。
10人ぐらい規模なのに新卒を採用している
これも、珍しいと思います。ベンチャー企業は中途をメインで募集をします。 急成長をするには即戦力がほしいですし、教育にお金をかける余裕がないからです。
しかし、そのリスクを取ってでもソニックガーデンでは新卒を採用しています。 代表の倉貫は目指す会社を寿司屋の銀座久兵衛によく例えます 。
銀座久兵衛に学ぶ一流の職人の育てかた 〜 スケールだけではない文化を広める一つのスタイル
新卒で入ると弟子として採用され、最初の数年は修行を積んで一人前になっていきます。
私の他にも今年も1人女性のプログラマが新卒で入社しています。
夜遅くまで働いていると注意される
ITベンチャー企業は他にも、夜遅くまでとにかく働いて、常にエンジンフルスロットルで突き進むイメージもありますが、 ソニックガーデンでは、夜遅くまで作業をしていると逆に怒られます。
業務時間以上に働くのは働き方に問題があり、効率化できていないと注意を受けます 。
ソニックガーデンではワークレビューの機会も多く設けて、弟子は毎週振り返りを行い何が改善できるのかを常に考えさせられます。 セルフマネジメントが自然とできて、常に成長できる習慣が身につくまで根気よく繰り返していきます 。 自律的に現場を改善できるチームをつくるための「ふりかえり」の進め方 〜 KPTと進め方のノウハウ | Social Change!
ソニックガーデンの目指す社会
ソニックガーデンでは、リモートワーク を推進しています。 最近、大企業では取り入れられる所も増えていますが、比較的ベンチャー企業では仕組み作りが難しく、 スピードが求められているために、実際にオフィスに集まらないとダメという所も多いのが現状です。
そういった問題も 技術やアイデアで解決しようとしています。
リモートワークの魅力についてはこの本でまとめられていて読みやすいです。 強いチームはオフィスを捨てる
実際に「リモートワーク」等で検索すると、兵庫の伊藤さんの記事が上位に表示されていたりします。 ソニックガーデンに入社&リモートワークを開始して3年が経ちました - give IT a try
あと、海外でリモートワークをしていた社員もいます。 「アイルランドで働きたい」がきっかけ リモートワークという働き方の実現法 | SELECK
最後に
以上でソニックガーデンの紹介は終わりです。
最後にですが、 ソニックガーデンにスーパーマンはいません。
元Googleのスーパーエンジニアや、マッキンゼー出身の敏腕取締役も、DeNAやGreeで新規事業を立ち上げた人もいません。
それでも、順調に成長できているのは、全員が同じビジョンを目指して、 しっかりとしたロジックを持ちつつ、お客さんと一緒になって事業を進めていけるから だと思います。
この記事で少しでも、ベンチャー企業に対するイメージや、こんな企業もあるんだなと知ってもらえればなによりです。
就活は大変だとは思いますが、色々な企業を知ることができるいい機会です。 ぜひ中小企業から大企業まで色々な企業を調べて、社員の人から話しを聞いてみてください。